里山エッセイ
時を動かす 八ッ場ダム
2009年11月13日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
どこまでも続く梅の花が満開だった。 奈良県月ケ瀬村の梅林、はるか昔の記憶の底にその美しい風景が蘇る。 高山ダム建設のためにやがてダムに沈む村と聞き訪ねたのであった。 昭和35年、全国的にダム建設が上昇気流に乗り始めた頃の …
「村の写真集」― ダムに沈む村
2009年11月4日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
美しい自然の風景につつまれた山あいの村、花谷村。 その村にはダムの計画が進んでいて、 やがて水の下に沈むことになる村の全ての家族を写真に残すことで 花谷村の美しさを伝えようとする一徹な写真屋。 旧式のカメラをかついで山道 …
四国の森づくりフォーラム
2009年10月28日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「四国の森づくりフォーラムinとくしま」が近づいている。 今から5年前、”四国はひとつ 四国の森はひとつ”をスローガンに 「四国の森づくりネットワ-ク」が発足した。 疲弊する森の現状に、 NPO等市民団体・森林管理局・県 …
崖の上のポニョ
2009年10月19日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
鞆の浦の風景 工事完成後の予想図 宮崎駿監督が「崖の上のポニョ」の構想を練ったのは、 広島県福山市の鞆(とも)の浦であった。 港を見渡せる小高い丘の上の古い民家に二ヶ月間滞在し、 一人で自炊しながら、海を眺めてスケッチし …
私の本棚
2009年10月14日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
秋だから読書について書かなくては。 父親が本には目のない人だったから借家の家がつぶれそうになるまで、 食べるものがないよと母が嘆くまで本が増えた。 地震対策も不十分だったけれど、幸いつぶされることもなく本の谷間に暮らして …
本をもって町に出よう
2009年10月2日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「人は家の中にいるために家をつくる。そして、人は家から出るために、 同じように家から出てきた人たちと会うために、都市をつくる」 (オルテガ・イ・ガゼット) 人と人との出会いの場としての都市の魅力が失われてきているように思 …
続・市民の力こそ!
2009年9月26日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
本屋の店頭では政治関連の本が売れに売れ 思わぬ政治本ブ-ムが起きているという。 政権交代による新しい政策への転換は、 市民自らをして何かをせずにはおれない気分にさせている。 さて何から行動を始めよう? 前回のこの欄で、市 …
グッドルーザー(良き敗者)
2009年9月15日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「勝ってもかぶっても緒をしめよ」と言ったのは、 元世界チャンピオンのボクサー藤猛である。 日系3世で日本語が不自由だったので“かぶと”が“かぶっても”になってしまった。 ユニークな日本語と愛嬌のある性格で多くのファンから …
市民の力こそ
2009年9月9日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
暑い夏の熱い選挙から10日が経つ。 政権を変えたのは主権者である私たちだが、 正直選挙の直後には、今までと大して変わらないとも思っていた。 今まで自分が関わってきた市民活動では、 市民の力は不燃焼のまま終わり 「政策」と …