里山エッセイ
菊花の約(ちぎり)― 総選挙に思う
2009年8月31日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
雨月物語 〔菊花の約〕(石田彰朗読CD) より 「青々たる春の柳、家園(みその)に種(うゆ)ることなかれ。」 上田秋成作『雨月物語』の中の「菊花の約」の出だしである。 軽薄な人とは交わってはいけない。 柳は茂りやすくても …
アンケ-ト結果を生かしたい!
2009年8月25日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「この国のかたち」が問われる衆議院議員選挙日が近い。 この本の著者司馬遼太郎は地下でどんな感慨にふけっているだろう。 歴史、文化、思想、哲学あらゆる分野にわたり 優れた日本人論を築き上げた司馬遼太郎、 彼にあやかり、揺る …
夏をいただきます~とっておきのひんやりスイーツ~
今日は8月の住まいかたセミナーの日。 こんな暑い日にひんやりスィーツは最高でした。 シェフは、クリスマスパーティ以来のミドリーヌさん。 参加された皆さんのご感想は・・・ 「こんなおいしい杏仁豆腐、食べたことない!」 「ル …
ふるさとに還る
2009年8月17日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
パリを流れるセーヌ川に80年ぶりにサケが戻ってきたという。 昔、セーヌ川にはサケが普通に泳いでいた。 パリは北緯49度で、北海道の稚内よりまだ北なので サケが泳いでいても何の不思議もないのである。 ところが20世紀に入り …
8月に書く
2009年8月11日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
戦争は嫌だ。戦争をしてはいけない。 父が亡くなって15年、今母を送ろうとしている。 徳島の8月はぞめきの夏、待ちに待った阿波踊りが訪れるが、 黒い雨の降った灼熱地獄と、地獄の果てに迎えた終戦が8月であるがゆえに、 父と母 …
廃市
2009年8月6日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「・・・さながら水に浮いた灰色の棺(ひつぎ)である。」 (北原白秋『おもひで』) それは7月の終わりから8月にかけての一夏の出来事であった。 卒業論文の執筆のためにある町で過ごすことになった 青年の手記の形で物語が進んで …
棚田と水源と虹の橋
2009年7月27日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
吉野川の源流 豊葦原瑞穂の国大和と言う。 3500年の稲作の歴史を持つ豊かに穀物の実る島とは、 古事記や日本書紀を持ち出すまでもなく、 天まで届くような棚田に立って自ずと実感した。 7月の風が吹き渡り、 今まさに稲穂をは …
腹時計のセンス
2009年7月15日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
昔から腹時計にはいささか自信がある。 15分ぐらいの誤差で、時間が分かるのだ。 絶対音感というのがあるそうだが、私の場合は“絶対時感”。 体内時計の感度がいいのであろう。 朝起きるのも、明日は何時に起床すると心に念じてお …
ふたたび宝の山に
2009年7月9日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
光る地面に竹が生え、青竹が生え、・・・地上に鋭く竹が生え、 まっしぐらに竹が生え・・・竹、竹、竹が生え、 と歌ったのは萩原朔太郎だった。 さわやかな青竹のイメ-ジにぴったりなのだが、しかし、しかし。 竹が生え過ぎではない …
里山の風景をつくる
2009年6月30日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
Photo by HIROMU SORA 空(くう)を切り裂くようにホトトギスひと声、雑木の林を渡って行った。 ここしらさぎ台は、雑木林に隣接している宅地が多い。 芽吹きの春、緑滴る夏、紅葉する秋、冬木立。鳥が鳴き、四季 …