ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)
不都合な真実
2007年10月25日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
『不都合な真実』 「しばしば人生は、われわれを素足で、裸で、 失われた機会に呆然と立ち尽くさせたまま置き去りにしていく・・・」 ノーベル平和賞を与えられることになったアル・ゴア氏が 『不都合な真実』の中で述べている言葉だ …
オフサイドの美学
2007年10月10日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
早瀬圭一 『平尾誠二、変幻自在に』 毎日新聞社より ラグビーのワールドカップがフランスで開かれている。 まだまだ世界の壁は厚く、日本は決勝トーナメントに進むことができなかった。 ラグビーは、サッカーと同じくイギリスが発祥 …
美しい国へⅢ
2007年9月25日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
『週刊朝日』 9月28日号より 安倍晋三首相が辞任を表明した。 あまりに唐突なその行動を、新聞、テレビなど いろいろなメディアが大きく取り上げている。 ほとんどが否定的で、無責任な辞任劇と厳しく批判している。 少し違った …
善き人のためのソナタ
2007年9月6日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
ジョージ・オーウェルの『1984年』は、オルダス・ハクスリーの 『すばらしき新世界』と並んで、逆ユートピア小説の代表作だ。 『1984年』の中で、オーウェルは全体主義国家による 市民生活の統制・管理の恐怖を近未来小説とし …
大山崎山荘美術館
2007年8月22日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
大山崎山荘美術館 パンフレットより なんという素晴らしい眺めだろう。山と川の奥行き感のある風景が目の前に広がる。 谷崎潤一郎が「蘆刈」の中で、大きな川の中州で月を見ていて 謎の男に出会ったのはあのあたりだろうか。 京都の …
建築家の幸せ
2007年8月7日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「日本のデュドックになりたい」。 倉敷の大原美術館やアイビースクエア(旧倉敷紡績工場の再生)を設計した 建築家・浦辺鎮太郎の口ぐせであった。 倉敷の町を代表する建築を造り上げ、 古い伝統的な町並みの魅力を現代によみがえら …
地球家族の家
2007年7月24日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
地球家族の家 今日は素敵な建主のことを話そう。 今月十四日に、シンポジウム『まちに森をつくるイン徳島大学―森・里・まちを結ぶ』を開いた。 このシンポジウムは、学生たち若者に森の大切さ、木の家の魅力を知ってもらい、 どうす …
新しい人へⅡ ― 長屋が生んだ建築家
2007年7月6日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
住吉の長屋 『GA ARCHITECT8 TADAO ANDO』より 社会に出たばかりのあなたに、ひとりの建築家の話をしよう。 おそらく、その人は、この世に生きる全ての人に勇気を与えてくれるのではないだろうか。 大阪の下 …
近未来の風景
2007年6月21日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「素敵なマンションが見つかったわよ。建築雑誌にも載ったことがあるんだって・・・」 関西に住む息子のためにマンションを探しに行っていた妻から連絡が入った。 住所を聞き、グーグルアースで敷地を上空から見た。(それにしても便利 …
貴方達と我々―舟越保武の彫刻
2007年6月7日 ぞめき(徳島新聞 夕刊 コラム)里山エッセイ
「病醜のダミアン」 舟越保武 『巨岩と花びら』 筑摩書房より 五年前に、八十九歳で亡くなった舟越保武氏は、戦後日本を代表する彫刻家であった。 「長崎二十六殉教者記念像」や「原の城」など、精神性にあふれた宗教的作品で知ら …