「この国のかたち」が問われる衆議院議員選挙日が近い。
この本の著者司馬遼太郎は地下でどんな感慨にふけっているだろう。
歴史、文化、思想、哲学あらゆる分野にわたり
優れた日本人論を築き上げた司馬遼太郎、
彼にあやかり、揺るがぬ理想の「この国のかたち」を作りたい。

「地球温暖化を考える-市民アクション2009-徳島」が実施した
アンケ-ト結果を判断材料の一つとしてぜひお伝えしたい。
候補者14人の内「答えない」と答えた一人を含め4人が未回答、
未回答は選挙の前から国会議員の資質失格ではないか。
10人の答えに候補者の環境問題への真剣度の差異を実感したが、
回答にて私たちに宣言した「約束」を守って欲しいものである。

温暖化対策については、
「京都議定書の目標を達成し、上昇気温を2℃に抑えるため、
IPCCが示す大幅削減に沿った目標を設定し、
それを実現する経済の仕組みがすぐに必要であり、
削減を法制化すべき」との回答が党派を問わず大半であった。
反対に
「日本に不利な約束なので、京都議定書を守れなくても仕方がないし、
大幅削減は必要なく、法制化は慎重にすべきである」と答えた複数の候補者もあり、
そのような候補者に果たして国政を任せられるものかと思案してしまう。

生物多様性については関心の度合いが大きく別れていた。
自然に恵まれている徳島であるからまだまだ切迫感が薄いのかもしれないが、
生物多様性が失われつつある現状は徳島でも同じである。
命の恵みをもたらす生物多様性の問題はすべての生存権を保障する基本であり、
命を慈しむ事のできない政治家に一票は投じたくない。

自分の言葉で決意を語っている候補者の回答に共鳴、要約して紹介したい。
「日本の生物多様性を守ってきたのは第一次産業従事者、
すなわち山林を守ってきた林業家、
里山・田畑を守って来た農業家、海を守ってきた漁業家である、
従って彼らを守ることが国土国民を守り継ぐことに直結する」

「最大の排出源である産業界の削減のため、
公的削減協定など義務付ける必要がある」
「日本の技術力を高め、それらを最大限に活用する」

さてあなたの選択は?

里山の風景をつくる会 理事
地球温暖化を考える-市民アクション2009-徳島代表  八木正江
2009年 8月 25日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より