思いがけず「ぞめき」の宴に参加できることになった。

徳島に住んで45年になろうとしている。
信州育ちには海かと見紛うばかり広大な吉野川。
川面に落ちる夕陽に感動した。
「悠揚流れ往く吉野川に静かに釣り糸を垂れることもできます!」
と結婚通知に書いた。
水に跳ねた銀色の魚の鮮やかさ、吉野川が故郷になった瞬間。

徳島で生き生かしてもらいつつ、常に自立した市民でありたいと
身近に起きる環境の問題には真っ直ぐに一途に向き合ってきた。
思いを言の葉に乗せてお伝えできれば幸いである。


Image by WWF Japan

今日の取って置きは、
地球に生きる生命の条約すなわち 「生物多様性条約」 のこと。

なになに?
来年名古屋でCOP10開催?
で、徳島で何か始まる?

期待にお応えして「生物多様性って何?」のフォーラムを開く。
昨年立ち上げた「地球温暖化を考える-市民アクション2009-徳島」が主催。
温暖化により失われる生物の多様性は計り知れないと、今年の中心テーマに。

生物多様性って?
自分の言葉に置きかえようと思い描いていたら、
胎蔵曼荼羅図が思い浮かんだ。

曼荼羅図は集合と本質を意味するという。
生物の多様性とは、自然の摂理を中心に生きとし生けるものすべてが
その回りに集合している曼荼羅図ではないだろうか?

地球上につながるいのちは互いに支え合い、
私たちはその恵みを受けて暮らしている。
徳島は自然に恵まれていて、かえっていのちの愛しさに気づかない。

恵みは守らなければ危機と裏腹であることを真剣に考える時は今だと思う。

明日6月13日(日) 午後6時半からふれあい健康館2階会議室にて開催する。

講師の道家哲平さん(日本自然保護協会・東京)は、
生物多様性について右に出るものなしと言われる若きホープ。
各国の環境NGOや政府機関で作る国際自然保護連合とのパイプ役として
日本中を飛び回っている。

事前に吉野川の流域をたどり、実際にその恵みに触れ、
徳島の生物多様性を体感してもらう。
哲学出身の道家さんの目に、自慢の徳島はいかに映るのか楽しみでもある。

これから生物多様性をどう利用していくのか、
徳島での新しいうねりがはじまろうとしている。

2009年 6月 12日(金) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より
地球温暖化を考える-市民アクション2009-徳島代表  八木正江