最後の見学場所は、やはり金刀比羅さんでしょう・・・
ということで金丸座へと向かいました。が、
これが、どうしてどうして、とてもすばらしかったのです!
参道からのながめは、古い木肌と大きな瓦の大屋根が、
色鮮やかなのぼりに彩られて、
思わず太鼓の ド ドォン なんて音が聞こえてきそうです。
それでは、この大屋根の内部に入ってみましょう。
これは、桟敷席から舞台を眺めたところです。舞台幕の松の緑・黄・黒の色彩。
天から吊るされた大きな提灯、脇を固める行灯の赤々とした列・・・
なんと鮮やかな空間でしょう
まだ、車も電車もなく、船や徒歩で移動しなければならなかった時代、
金刀比羅宮へのお参りは一生に一度の機会でした。
人々は、この晴舞台に、これまでの人生でできなかった贅沢の夢をかなえようと、
参詣の後には、この金丸座の歌舞伎の芝居をみて、極楽の世界に触れたそうです。
舞台で繰り広げられる芝居、美しい着物や役者、天井からは紙吹雪が舞い落ちる。
当時の人々は、どのような気持ちでこの空間を堪能したのでしょうね。
建築の情報としては、昭和45年に国の重要文化財に指定され、
平成15年に復元修理工事を行って、江戸時代の姿へと復元されました。
現在では、毎年春に、この舞台で歌舞伎の芝居が行われるそうです。
その記念すべき初演を行った役者は、初めて金丸座を訪れたときに、
建物から 「おおーぃ、ここで芝居をしてみないか」と、呼びかけられたそうですよ?
うそかまことか、さだかじゃありませんが、
それを本当と信じさせられる力がこの建物には、たしかにありました とさ。
最後のReport5は、いよいよ森の文化祭の会場です。