小松島市櫛淵町の里山にあるクレコシのため池です。
今はもう農業用水としては利用していませんが
地域の人たちは池の淵の草や木を刈り込む作業を欠かしません。
湧水があるのでしょう、透き通るような水面は
ため池とは思えない美しい眺めです。
ため池の水がパイプを下って水路に流れてくる場所です。
たっぷりと養分を含んだ水が流れてくるので
水生動物がたくさん集まってきます。
魚を見つけたこどもたち、夢中になって
大きな網をすくっては覗き、すくっては覗き・・・
ナマズ うなぎ
コヤマトンボのヤゴ シマドジョウ
驚くほどたくさんの種類の生きものが獲れました。
「メダカとカダヤシ、よく似ているけれど、尾びれを見て。
まっすぐなのはめだか、まるいのが、カダヤシだよ」
「ドジョウはエラだけでなく、口からも空気を吸って腸で呼吸してます」
真剣な表情で観察指導員の説明に聞き入っています。
まるで1枚の田んぼがどこまでも続いているかのようで
広がる豊かさに圧倒されてしまいます。
昔、この土地は里山に囲まれていながら海抜が低く
大雨が降ると一面海となって稲は流されたそうです。
盛り土し農地改良をして米を続けてきて今在る風景に
恵みと災いをもたらす水との折り合いの歴史が
重なって見えてきました。
クレコシのため池の名の由来は、
『暮れを越しても池の水は豊か』。
田に水を張り、山に竹を植え、石を敷いてため池をつくり
自然からのめぐみを四季絶やすことなく受ける知恵が
里山という文化をつくり上げてきたことも
この田園風景から学んだことです。
2年目にはいった田んぼ探検隊。
毎回、発見の連続です。