緑の風に吹かれて田植えをしたのは
5月初旬の事でした。
見渡す限りの青田に
トンビが空高く輪をかいて祝ってくれました。

あれからほぼ3か月、
今日は待望の稲刈りです。
お日様も久しぶりにのぞいて
武蔵さんの田んぼに子どもたちの声が響きます。

でも、でもなのです。
今年はまれに見る天候不順の年でした。
稲の生育に欠かせないお日様が照らなかったのです。
そして刈取り寸前に襲った台風11号の雨が
無残に稲に降りかかりました。
千枚田とも言われる小松島一帯の田んぼは、
一面の湖の様だったと聞きました。
自然の猛威に、農家の方は
ただ立ち尽くすしかなかったと。

今日の武蔵さんの田んぼも、
稲穂を垂れて黄金色に輝いている姿ではありません。
やっと持ちこたえているように倒れています。
でも感動しましたよ、
倒れかかっているのに、
稲の息吹が聞こえたのです。
「ようこそ、ようこそ、
お日様の光を上手に取り込んで
私たち元気に実りましたよ。
見かけは少し悪いけれど味だって大丈夫」と。

鎌で手刈りです。
大人と子供、研修生のお兄さん合わせて50人、
サクッサクッ、みんな手つき鮮やか、
8畝の田んぼはみるみる刈られていきます。

ああ虫たちです、
精霊バッタにコオロギにカエルに
カマキリ、カタツムリ、イナゴもいます。
突然明るくなって右往左往愉快です。
子供たちが手に取り歓声を上げます。
生き物いっぱいの豊かな土壌があって、
稲が実ったことを実感した瞬間です。

くくります。こうしてこうしてくくるんだよ、
大人が手本を示します。
子どもたちも結構手際のいいこと!

武蔵さんが、太い竹で次々にはぜ棒を組み立てます。

子どもたちが稲束を運んでかけ渡していきます。
運んで運んで完成、
昔見た懐かしい刈り入れの風景です。
1週間ほど干して脱穀、まち遠しい。

お待ちかね!
新米の「お結び」がずらりと並びます。
田んぼの神様、収穫できてありがとう、
来年もお願いします。
感謝と祈りの気持ちを
ひとつひとつのお結びに込めました。