小松島市大林町、武蔵さんの田んぼで稲刈りです。
5月には80人も集まって、楽しく田植えをしましたね。
大きくなっていっぱい実れ! みんなで祈りました。

梅雨に恵みの雨を受け、灼熱の夏の太陽を受けて
黄金色の稲穂が頭を垂れ、刈り入れの時を迎えました。
台風襲来を避けて急遽繰り上がった稲刈りの日です。
田植え参加の家族も幾組か、
あの時臨月を迎えていたお母さんから、
元気な男の赤ちゃんが生まれていて、
今日は一人前に乳母車参加です。

新しい鎌はピカピカで出番を待っています。
のこぎり鎌の使い方、稲り刈り方、縛り方
守らないとけがをするよ
ていねいな説明が続きます。
やってみなければ分からない。
早く早く刈りたいよ、みんな心が急ぎます。

武蔵さんが今日の手刈りのために、
広い田んぼの一角を残してくれています。
一列に並んでさあさあ刈っていきましょう。

前へ前へ、ザクッザクッと刈り進みます。
稲わらのこの感触この香り、
ずっしりと重い稲穂の手ごたえ。
機械などなかった云十年前には、
どの家でも小さな子どもの手さえが貴重な労働力でした。
そして労働は家族の絆の元でした。

武蔵さんがお手本とばかりに刈り進んでいます。
気持ちのいい音ですごいスピ-ド、
武蔵さんそんなに早いと、ひとりでみんな刈れてしまうよ。
子どもたちは真剣で上手に鎌を使っています。
束ねた稲を抱え次々とハゼに運びます。

あちこちで歓声が上がります。
みどり色の小さいカエルが、
突然まぶしい光に戸惑い
ぴょんびょんとはねています。
今年生まれたんだよと中村講師、
なんとも可愛いい姿です。
ふと見上げると何羽ものツバメが飛んでいます。
美味しい餌があるよ行こう行こう、
そんな声が聞こえました。
武蔵さんは有機農業を始めて6年、
農薬なんか使わないのに、草は生えず,
たくさんの生きものと共存しながら収量も落ちない。
ここまでの苦労努力一切語らず
奥さんともどもいつもにこにこですが、
恐らく計り知れない苦労があったはずです。
機械技術にも強い研究熱心な武蔵さん。
地域の要となって
ますます志を同じくする農家が広がりますように。

新米を3升も炊いておにぎりにして
ふるまっていただきました。
ひとつぶひとつぶのお米に
奥さんの心が詰まって輝いていました。
とびきりおいしいおにぎりでした。

参加された皆さん、
感想を述べられるお顔が輝いていましたよ、
初めてだったけれど
親子ともどもほんとに得難い経験でしたと。
鎌にも慣れて上手に刈れましたと。

「またぜひおいでてな!」
なんと嬉しい言葉でしょう。
稲刈りツァ-の何よりのお土産は、
田んぼを通じて、
こうして人と人とがつながりあえることです。
武蔵さんご夫婦に感謝
参加者の皆さんに感謝です。

里山の風景をつくる会
理事 八木 正江