小松島市田浦町西原の田んぼに
蛍を見に出かけました。
水車の廻る田浦町の田んぼで蛍祭りが開かれ
たくさんの人たちが訪れていました。
小梅に破竹、アスパラに夏ミカン、夏野菜・・・
農産物も並べられ販売されています。
夕闇迫るとちらほらと飛び交い、
宵闇深まる夜8時すぎには、出番とばかりに光り、
私たちを幻想の世界に誘います。
まわり続ける水車の音、歓声を上げる子どもたち、
いえ、私たち大人もです。

昔ながらの石積みの用水路は蛍のお宿そのものです。
水のしぶき、草の茂り、護岸に張り出す柳や梅の木。
風がないもやいの夜であれば、無数の蛍が飛ぶと言います。
田浦地区でお米を作っている北野さんたちは
数年前、これらの条件がすべてそろった夜に、
川から湧き立つ蛍の乱舞を見たのだそうです!
一生懸命その時のことを語る北野さんの目が
怪しく蛍のように光りましたよ。

蛍は光の環を描いて高く飛ぶのですね。
飛ぶのはオス、蛍の交尾行動だそうです。
見れば小さいただの黒い小さな虫なのに、
神様はなんと粋な計らいを蛍に授けたことでしょう。
水辺にたたずみじっと見ていると、
いろいろのことに気づきます。
川辺の草むらで光り出すと、あちこちで光り始めます。
光ってやがて飛び交います。
そしてまたしばらくの暗闇。
蛍の以心伝心です。
ノ-ベル文学賞を受けたインドの詩人、ロビンドロナト・タゴ-ルの
「蛍」という詩を思い出します。

私の空想は蛍、―
いのちある光のかけら
暗がりにまたたいている。
いのちある光のかけら・・・・とは!!
感慨の深い夜でした。

八木