加藤登紀子さんのおめでとうコンサ-トが10月にあるって。
歌手生活45年を記念して。
暖かいピンク色のポスタ-に、
語りかけるように登紀子さんがいる。
「10年目の123」を開いてから早くも半年、
未来の吉野川を思い描いていろいろな構想を練ろうと約束したことが
こうして実現しつつある。
流域圏構想という言葉の意味を学んだ
2004 年の流域シンポジウム「森のしずく海へ」。
あの時も登紀子さんだった、C・W二コルさんと。
吉野川を元気にするために役立ててね!
と手渡された浄財に「10年目の123」からも上乗せされて、
それが生きようとしている。
そう、吉野川流域市民基金が発足した。
長年温めてきた構想、
森のしずくのように、今はまだほんの少しの原資だけれど、
いつの日かたくさんの人たちの思いを集めて循環の基金となることを願う。
「吉野川の歴史とうまいものを探る会」もできたと新聞報道されていた。
その呼びかけ講座で聞いた八カ村堰訴訟事件の事とか
吉野川第一期改修工事の意義とか、
内容は難しかったが川と人との関わりの深さがよく伝わった。
青石基金はどうなっただろう、
御影石に名前を彫り込んで、お堰保全にと待っている御仁もいると聞く。
ポンと音を立てて早暁に花開く蓮の花のように、
ひとつずつ花開いて行く吉野川YEAR。
吉野川河口域(汽水域)をラムサ-ル条約登録湿地にしよう! という動きも始まった。
これは以前からの強い願いだった。
川が海に至り解き放たれ広がる空間をエスチュアリという。
訳せば三角江と一言だが、
豊かな生態系や稀少種の多さからしても、
広がる風景や育まれてきた文化からしても、
漁業農業ももちろん、
吉野川河口域はさまざまの恵みを生み出す貴重なエスチュアリであり、
ラムサ-ル条約湿地に登録できる条件を満たしている。
条約の目的は登録湿地を「保全すること」と「賢明に利用すること」だから、
持続可能な暮らしのためにも、
吉野川の未来のためにも大いに役に立つに違いない。
里山の風景をつくる会 理事
地球温暖化を考える-市民アクション2010-徳島代表 八木正江
2010年7月13日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より