水と緑の日本列島、無数の川が海にながれ込む無数の汽水域が目に浮かびます。日本列島の成り立ち、姿です。この度お招きした畠山重篤さん、両手を広げゼスチャ-たっぶりに、その汽水域の「大切さと・役割と・あふれる恵み」とを披瀝されていきました。
 日本国中、いえ世界、フランス、北欧等々駆け巡り、森と海をつないで来られたその足跡、楽しくて楽しくての雰囲気が会場全体に広がり、私たちの心も世界を馳せました。
 会場には予想を超える人、人、人。そうです、「森は海の恋人」、今や古典的な名句となったフレ-ズ、その本心を解き明かすものでした。

 

改めて痛感しました。ご講演の直前、吉野川の河口と第十堰をご案内しました。雲一つない晴れた冬日の堰、第十堰を守り切った当時の感慨、感慨深かったその思い、ピンと伝わりました。あの日があって今日があり、明日がある。
 科学的な裏付け、ご講演の眼目はここにありました。直観だけで自然の摂理を解き明かすことはできないことを、畠山さんは「体得したことの証明」するべく、学者と結び、多くの著作をもって世間に問いかけています。森も川も山も人・・・・私たち一人一人こそが持ち主で、主人公なのだと思いました。だから、万人の納得できる理屈や理論がいるのだと思います。

 

どうぞ下記の御本お読みください。未来を担う子どものためにも、たくさん出版されています。
      人の心に木を植える    講談社
     日本<汽水>紀行     文芸春秋

その文才、説得力、一筋縄ではありません、あっと驚かれるでしょう。その証拠に用意した本は、飛ぶように無くなりました。余韻嫋々、久しぶりに素敵な講演会でした。

畠山さんが常に唱えて、私たちの心をふるわせるフレ-ズがあります。
「地球上には、3つの森があると思っています。山の森…海の森、そして、人々の心の森です。…人の気持ちがやさしくなれば、自然はちゃんとよみが えってくるのです。」

森は海の恋人~3.11を乗り越えて。証明された自然の摂理に、一同粛然と襟を糺しました。