田んぼを渡るすがすがしい風と
どこまでも広がる水田。
5月の田園風景は心が和みます。
みんな、思い思いの場所で生きものさがし。

コンクリートで固められていない水路は
生きものにとって棲みやすいところ。
網をすくうと、いろいろな生きものが入っています。

赤腹イモリはこの時期、産卵のために
山から田んぼに下りてきます。
大きなおなかのイモリをたくさん見つけました。
卵を産み終えると、また山に帰っていきます。

卵から孵ったナマズの稚魚と塩辛トンボのヤゴ、ゲンゴロウの幼虫をすくいました。
田んぼに水を張って間もないこの時期は
ホウネンエビやカブトエビ、カイエビも観察できます。

観察のしめくくりは集会所で北野さんのお話を聞きます。
この地域の農家さんは農薬や化学肥料を使わず
生きものにとって棲みやすい環境での
お米作りをめざしています。
勝浦川から引いた水路には
蛍が棲みやすいような配慮がなされ、
水車で田に水を入れているので
水車の水しぶきに蛍が集まってきて、ちょうどこの季節、
何とも言えない風情を味わうことができます。

山と川と田んぼがつながっていて、
農を通じて自然を理解する人のつつましい暮らしがあって
この田園風景は守られているのでしょう。
農業の役割の大きさを改めて感じます。
まちに住む私たちにできることはなんだろう・・・
観察会は、参加した人たちといっしょに
そのことを学ぶ場でありたいと思うのです。