「10年目の123」というイベントが開かれようとしている。

2000年1月23日、
それは吉野川第十堰を残しておきたい!という
強い思いを実現するために、住民投票が行なわれた日だった。

結果90%の市民が「残しておきたい意思」を高らかに示した。
あの日が未だ脳裏に鮮明な人にも、かすかに記憶している人にも、
聞き及んだことのない若い人にも、同じく時が流れて2010年1月23日が来る。

吉野川を愛した人々の上に、この10年はいかに流れていったのか。

川上から川下につながるいくつかのNPOが生まれた。
「緑のダム」の提言、源流域の杉の木を使った家づくり、
植樹を続ける「千年の森」活動、流域の恵みを育てる有機農業、
河口干潟の貴重な価値を問い、
進む公共事業との迫めぎ合いに心痛める見守り隊もある。
吉野川で育った元気な川ガキは9期を数え、今や300人が全国に巣立った。
194キロの流域が元気に満ちつつある。

弁護士で法政大学教授の五十嵐敬喜さんに
イベント第一部の基調講演を快諾して頂いた。

五十嵐さんには格別に深い思い入れがある。
「美の条例-いきづく町をつくる」「美しい都市をつくる権利」
「美しい都市と祈り」の3冊を読み感動したからである。
これらはまちづくりのバイブルだと思う。
公共事業に限らず、常に新しい権利主体を唱え続ける五十嵐さんの
人間哲学が聞けるに違いないと期待が膨らんでいる。

第二部に出演の川ガキたちは全国から馳せ参ずるという。
加藤登紀子さんと歌うその歌声は人々の心に響き、
前回(2003年流域シンポ)生まれた絆が10年を経て今日に至り、
また新しいヒューマンチェーンを綾なすだろう。

「10年目の123-第十~流域~民主主義-」、
徳島に根付いたか民主主義、それが問われている。
奇しくも 政権交替という世紀の節目にも立ち会っている。

まずはこれから先の10年、
私たちの吉野川を未来へとつなげていくにはどうしたらいい?
それを楽しく考えよう!というイベントである。

2010年1月23日会場の教育会館いっぱいに人が溢れるだろう。
チケットは間もなく販売され徳島駅前の小山書店などで扱う。

(連絡問い合わせは
NPO法人吉野川みんなの会 電話088-621-9200)へ。

里山の風景をつくる会 理事
地球温暖化を考える-市民アクション2009-徳島代表  八木正江
2009年 12月 15日(火) 徳島新聞夕刊 「ぞめき」より