5月の連休、住まい手Mさんから「修復がほぼ終わりましたので、どうぞ」と
お誘いをいただき、西宮まで出かけてきました。

家の外観はほとんど見えないけれど、
木々のむこうに人の住まう気配が感じられる目神山12番坂。
家々は新緑に溶け込んで・・・

一時は解体の計画が上がっていたそうですが、
京都に長く暮らし古都の伝統を受け継いだMさんは、
石井修さんの遺したこの住宅を次の世代に伝えていく役割を果たしたいと思い
購入を決意されたそうです。

極力部材を残そうとした大工の技、自然と家の共生を求めた建築家の思想、
そして家の再生を選ぶ住まい手の心意気。
モザイクのように人から人へ委ねられて、古きよきものは生き続けるのですね。
Mさん、すてきな機会をつくっていただきありがとうございました。

(建築家石井修さんとその作品について詳しくは、
里山エッセイ2008年4月「回帰草庵」、同9月「目神山の家」をご覧下さい)