NPO法人 里山の風景をつくる会のウェブサイト
里山エッセイ

年別アーカイブ: 2011年

雨土と蛍

水無月と聞くや、 咲き始めていたクリの花が満開になっている。 穂状に垂れる白い房々が、 秋にはイガグリ頭のクリの実になるとは摩訶不思議。 ゲ-テ形態学論集・植物篇という本があって、 そこには花から実への秘密が書かれている …

復興住宅の提案

NPO里山の風景をつくる会は、震災後自分たちにできることを探してきた。 「まちに森をつくろう」と、吉野川源流域の木を使った家を建て続けて10年、 川上の森で林業を営む人たちと、川下のまちで木の家に住みたい人たちの願いをつ …

夏は来ぬ

小さな丸いつぼみが膨らんで、 まっ白に卯の花が垣根にこぼれると、 かすかに甘い香りがして足を止める。 柔らかな緑の滴る雑木林には 日がな一日小鳥が囀っている。 「卯の花の匂う垣根に・・・」。 佐々木信綱作詞の「夏は来ぬ」 …

いのちはぐくむ

春を告げ春を寿ぐウグイス。 今年もなわばりの雑木林に帰ってきた。 ケッキョケッキョ、数日後にはもうホ-ホケキョ。 震災からすでに49日、 美声に聞きほれながら、2時46分に捧げる黙祷。 肝心の事は何だろう? 考えて動く。 …

それは違う

原子力発電所の地にいつ春が来るのか心が痛む。 日本は北から南まで、点々と原子力発電所が並び その数55基、計画中10基、まさに原発列島。 南から花開く桜列島に原発が重なって見える現実はつらい。 今から30年も前の愛媛県伊 …

これならできる

天に向かって咲く白いモクレン。 両の手を合わせ、 愛しいものをつつみ込むようなふっくらとしたつぼみが、 やがていっせいに花開く。 津波の怒涛が、廃墟になった家々が、立ちすくむ人々の映像が、 追い討ちをかけたきばむく原子力 …

合意形成

合意形成という言葉がはやっている。 春が来ているのに粉雪が舞ったり、 日傘が欲しいような紫外線を感じたり、 三寒四温の春は気まぐれ。 季節の巡りに合意形成はあるのか、と妙なことを考える。 天空にいる白いガウンをまとった季 …

里山の工作室

木や実で素敵な作品をつくりました。 キットは吉野川源流の森の林業家 筒井順一郎さんが 森から集めて手をくわえてくれたもの。 何気ない小枝が板の上に置かれると はっとするようなオブジェに変身です。 夢のマイカーで野山にドラ …

鍋から見える

はかせ鍋、圧力鍋、土鍋、タジン鍋、ゆでもの鍋、 すき焼き鍋、ダッチオ-ブン、無水鍋、中華鍋、 雪平、ミルクパン、蒸し器・・・・あるある。 狭い台所に並ぶのは土鍋と雪平だけ。 食卓に上るのは豆腐におひたし、煮物に焼き魚と …

森の精の住む病院

大安のその日、冬の空は真っ青で、 少し遠いがなだらかな山の稜線に囲まれた地に 掛矢の音が響いていた。 太い棟木や登り梁が次々とクレ-ンで下ろされる。 手慣れた大工さんたちがえいっ、やっと受け取り、 切り組みをぴったりと合 …

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